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「ここ、あいてますか。」

「ここ、あいてますか。」

(無許可頂き)


これ、ある映画ファンの方のブログの一部です。

ほんとはやばいと思いますが、結構有名な方(あるBBSでよく見る)なんで

頂いてしまいました。 親のあり方を考えさせられた文章です。



「NO ONE Would Listen」


この歌詞のポイントは"outcast"という言葉をどう受け取るか。

"outcast"という言葉の音が"cast"との対比をイメージさせる。
(音去さんブログ参照)
世の中から取り残され、一人孤独なPhantom自身が"outcast"
一方幼くして両親を亡くし孤児となったクリスティーヌ。
二人は孤独を抱えるもの同士であった。
そこから、『同じ孤独を抱える彼女だけが耳を傾けてくれる』という意訳をしたのでした。

この曲は受け取り手の感じ方で何通りも訳ができるでしょう。

この曲のタイトルをブログタイトルにしたのも、
ものすごく自分と重なるところがあったからです。

子供の頃、クラスメイトに疎外され、村八分に遭い、
一人ぼっちで私は教室の中で過ごした。
周りには人が大勢いるのに、自分だけがoutcastだった。
「異端なもの」だった。皆と違うものだった。
自ら「仲間に入れて」と言い出しても、相手はお互いの顔を見合わせ、
そのまま、そこに私が居なかったかのように無視される。

本当は、みんなの中に入りたかった。
でもそれを望めば、拒まれ、さらに自分が傷つく。
手を伸ばしても届かない、worldだった。

「一人でも平気だもん」と強がり、自分の内なる世界に砦を築く。
理解してもらえなくてもいい。自分が感じたことを大事にしよう。
そう、思った。そうして一人、本を読み、物語の世界に入り込んだ。

Phantomを孤独にしたのは、その容姿で母親にさえ、疎まれたことだった。
宗教的背景もあっただろう。でも母親さえたった一人でも愛情を注いでいれば
彼はエリックとして成長できただろう。

私が今こうして、『引きこもり』もせず、まっとうな社会人になったのも、
泣いて家に帰った、私の話を最後まで聞いてくれた母のおかげだと思う。
そして、私の心が落ち着いている頃に、聞くのだった
「本当にあなたには何の落ち度もなかったのか」
嫌われるには理由がある。それが理不尽に感じることでも。

母はいわゆる盲目的な愛し方をしていない。
「自分の子に限って・・・」という人でもない。
だから、ところどころ曲がっていても結局は上を向いて立つ木になれた。

Phantomはそれがなかった。
幼い子供には重過ぎる理不尽な蔑みは
まだ細い幼木の上に積もる雪のようにのしかかり、
その幹を曲げ、上を向くことができず
歪んだまま、横向きに育った木だった。

でもそんな木でものしかかるものが溶けてなくなれば、
再び上を向いて伸びていく。
雪を溶かしたのはクリスティーヌだった。
素顔を見てもなお、向き合ってくれた。
だからこそ、彼にとって絶対に失うことのできない唯一の人になった。
クリスティーヌの支え木が必要だった。

そんなことがグルグル頭の中でまわり、
私にとって重い思いのこもった唄だった。



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